お告げ婆さん

もう、2年くらい前の話なんだけど
他の患者さんから お告げ婆さん と呼ばれていた患者さんがいてね
普段はずーっと寝てるんだけど
突然、目をかっと開いて語り出す・・・

『裏山に、魂が2つさまよってる・・・男が2つだなぁ・・・』
・・・・・二人、死亡退院・・・

『女の魂がさまよってる・・・もうまもなくだ・・・』
・・・・女性患者さん 死亡退院・・・

これがまた、よく当たってねぇ・・・
同室の患者さんは怖がるし、職員は自分の夜勤の時、聞きたがるし
有名になっちゃってね・・・
しばらくはそのままだったんだけど、
この お告げの時の顔が怖くてねぇ 普段は目閉じてるからよけい・・・

それがだんだん、お告げの時、叫ぶようになっちゃって・・・
病棟の他の患者さんたちも気持ち悪がって
当人はお告げ中、興奮状態・・・
お告げの日は、心拍上昇 血圧上昇・・・
でも、誰にも止められない・・・

ある日、家族が数珠持ってきて、手に巻いたの
・・・・その日からピタッと お告げは止まった。

あたしが聞いて、一番怖かったのは
『裏山に男の魂が1つ、女の魂が二つさまよっている・・・
 男はまだ迷っている・・・ほっほっほ・・・
  この世に未練があるな・・・』  っていうお告げ

その日は安静で、なくなりそうな人は居なかったのにね、
夜間に入って3人(各階ぜんぶ合わせて)急変・・・
朝までに3人、亡くなった・・・男性1名 女性2名・・・

でもねぇ・・・数珠巻いてからすっかり静かになって
自分の時は、お告げも何もなかった・・・

不思議な人だったよね・・・
一種の霊能者なんだろうねぇ・・・

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